国立新美術館 企画展示室2E
マティス 自由なフォルム
Henri Matisse-Formes libres
鑑賞に行ってきました。
●主催:国立新美術館、ニース市マティス美術館、読売新聞社、日本テレビ放送網
●特別協賛:Canon
●協賛:DNP大日本印刷 ●協力:日本航空、日本貨物航空、ヤマト運輸
●後援:在日フランス大使館/ アンスティチュ・フランセ、J-WAVE
2024年2月14日(水)~5月27日(月)迄 開催
乃木坂駅から直結で入れます。
こちらの国立新美術館は私の大好きな空間です。
貧しくとも心はワクワクして、
眼は未来へ向き
過去に生きた芸術家から現在の「ヒント」がたくさん聴こえる
Art脳の神経細胞アンテナがビリビリ受信する。
これは感激でした!
私の父がよく「文藝春秋」を買って愛読をしていました。
その表紙にアンリ・マティスの作品なんて
なんて芸術的最先端だったんでしょう!
アンリ・マティス(1869-1954)。
20世紀最大の巨匠である。
自然に忠実な色彩から解放された大胆な表現が特徴のフォーヴィスムの中心人物としてパリで頭角を現す。
初期はシンプルな基礎的な油絵から始まる。
展示作品から(本のある静物)は彼の美術に対する本気度を感じた。
後半生の大半を過ごすこととなるニースではアトリエで様々なモデルやオブジェを精力的に描く一方で、マティスは色が塗られた紙をハサミで切り取り、それを紙に貼り付ける技法「切り紙絵」に取り組む作品を多く作成する。
その後、その流れで舞台衣装や舞台、建物、歳を重ね歩けなくなって
ベットの上でも長いペンシルでベット横の白い壁に絵を描いていく。
可愛いチャペルのデザインプロデュースをして
上祭服のデザイン・制作もしていた。
人間・・・死ぬ前は自分が取り組んできたことを肯定するべく
神に近づきたいと思うのかも知れない。
私の父も新興宗教の悪を自分が分からせる!との意気込みで
早稲田大学 文学部 哲学科で「東洋哲学と西洋哲学」を学び
卒論を書いた人間である。
父曰く「厚子は自分に似ている」といっていた。
戦後の天皇は神ではなかった。
そして弱い者に付け込む新興宗教アレルギーもあった。
昭和8年生まれの父は経済的にも苦労した
身体も弱かったが戦中という時代背景的に弱いなんて言えなかった時代に
頑固に国家公務員で働いてきた。
その父でさえ、晩年手を合わせることに抵抗がなくなったのだ。
ずっと変わらないことなんてない。
とくに芸術家は興味が移ろい易く、且つ挑戦的ポジティブ思考だ。
油絵から始まり、彫刻、版画、雑誌の表紙、舞台衣装デザイン、
空間プロデュース、そして神に近づく。
まあ芸術大学に通う者なら全て学ぶ過程の単なる「アウトプット」に
成功した者だけが死後までも美術館で展示される現象なのかもしれない。
マティスは晩年芸術家人生の集大成ともいえるヴァンスのロザリオ礼拝堂にも着目し、建築から室内装飾、祭服に至るまで発表する。
注目される芸術家は南フランスに移住するようだ。
穏やかだもんな~。
私も住みたい。
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マティスは20世紀の巨匠なので、特に芸術家としては軽い感じがした。
切り絵を見た時なんて、
「あ、これって小学生低学年の時、図工の時間にやった!
切り絵で海の中を描いた時に魚の隣に描いたワカメだっ!」って
既に実践的教育の現場で影響を受けていたと感じた。
重くない
定義なんてなくていい
ただ自分の興味の赴くままに流れ
表現していくスタイル
それが、この展示タイトルの如く
【自由なフォルム】
だと深く共感した。
今日は、「遠距離現在」も鑑賞しました。
写真も撮影OKでしたので後日ご紹介できたら良いです。