写真家「中平卓馬」火ー氾濫 東京国立近代美術館 企画展に学ぶ

 
中平卓馬 火—氾濫
本日、行きました。
 
 

中平卓馬と同世代の森山大道が撮影した中平卓馬。「にっぽん劇場」
 
 
私が生まれた頃に写真家として活躍していた中平卓馬は完全にその時代を
切り取った。時代の歪みを決してお洒落に表現せず、ありのままのアップだ。
私が子供の頃に見た日本、風景。
 
 

小学低学年の頃教室の片隅に置かれた書籍の中に
「朝日年鑑」という図鑑があった。
戦争で片腕を失った兵隊の写真や戦争で被爆した人の写真、
水俣病の写真、人間がクズみたいに悲惨な様子がたくさん掲載されていた。
日本の風景も悲惨なものだった。
私の世代は日本が戦争に負け悲惨な国ということを小学校1年生から教室にある本で知る世代だった。
親が若く幸せな家庭の女の子は男子がそれを見せると「わんわん」怖がって泣いていた。
私はなんで泣くの?それが現実だよって思っていた方。
なんせ親が昭和一桁世代。一家団欒には戦争の時食べ物がなくて苦労した話や聡明に少ない小豆を小さい袋に分けて一日分を作り
1週間分や数週間を持たせた話などを聞いて育った。
そんな親や中平卓馬が見た世界や写真に影響を受けている。
ザ・昭和!
 

 

 

 

 

 



 

写真を撮影していくうちに中平卓馬は急性アルコール中毒になり救急搬送され入院してしまう。
分かる気がする。
数年分の記憶が無くなるという後遺症になったが、
また写真家で復帰する。
彼は写真を撮ることできっと未来を旅したに違いない。
彼の残した写真に対する言葉に
「写真は詐術だ!!」とある。
私も同感だ!
そして私はそんな退屈な空間にいなければならない時
写真を撮っていればその場にいれるが、
写真撮影できない退屈な空間ではそこにいることが耐えられない人間だ!
厚光
 
 

 

 

 

※撮影OKのみの写真を掲載しています。